ジェイコーディ株式会社

日本の製造業のあるべき姿 ~ベンダーやコンサル会社が考えるべきこと~

日本の製造業のあるべき姿 ~ベンダーやコンサル会社が考えるべきこと~

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本日、製造・設計ソリューション展に行って来ました。来場者数も多く、賑わっていました。
製造業は景気が回復してきて、将来に向けて取り組みが盛んになってきているのでしょう。

各社日本の製造業を支援するために、試行錯誤を凝らし、様々なソリューション開発を進めてきています。

弊社の視点は、最近の大手製造業の皆さんから頂いている課題を解決するためには、どういった切り口だったら解決できるか?どんなソリューションがあるのかといった視点で見て回ります。
分からないところはベンダーの方々に率直に聞いて、どう提案に生かせるか頭の中でシュミレーションしていました。

インダストリー4.0の取り組みを意識した展示も多かったです。インダストリー4.0は、私の理解では、ドイツの政策です。
ドイツがアジア諸国に対する競争力を強化するために、少量多品種をいかに低コストで、品質高く展開しながら、競合と戦っていくか?その為には、高コストな人件費の中で、いかに人を介さず、考える生産ライン作って効率化していくか?

日本は日本の製造業がおかれた背景や課題を整理し、どういう対策を打つべきか、自国のオリジナルの政策を考えるべきなのですが、どうしても海外のものを取り入れようをする傾向があると感じます。

では、日本は誰がこの政策を進めていくのでしょうか?ドイツでは元SAPの方が中心となって、産学官で企画し、シーメンス社でトライアルをしているようです。
ドイツでは、ドイツの生産ラインの効率化とともに、それらのラインを輸出することでさらにビジネスにしていくことを検討しています。

最近製造業を周りながらお叱りを受けていることがあります。
昔のベンダーやコンサル会社は、海外の事例も踏まえながら、こういう風にしていくべきというあるべきを提示してくれた。色々なことを教えてくれたが、最近はそういう企業が無いとのこと。
確かに昔は、欧米の考え方やツールを持ってくるなどして、それを製造業に紹介する形であるべきというものを提示できていたように思います。
しかし現在は、日本も製造業としては欧米と方を並べており、目標とすべき先導者を見失っている気がします。
ここから先は、日本の環境を考慮し、自力で考えていく必要があるのかもしれません。まさに、日本版インダストリー4.0を考えていく必要性を感じます。
日本の製造業とともに、日本の製造業を支援するソリューションベンダーやコンサルティング会社も同じくです。一つ一つ考えて、自力で作っていく必要があると感じます。

あるベンダーのブースで、未来のものづくりのあるべき姿を語った動画が流れていました。非常に分かりやすかったので、以下に引用します。

世界のどこかの一人の女性が、ネットで商品を選ぶのではなく、こんなことが解決する、こんなことができるロボットがほしいと、ニーズを入れます。
「自分でお掃除をしてくれる可愛いロボットがほしい。お掃除の仕方を教えなくても、その家の環境に合わせて、解決策を考えたり、学習機能を持ったロボットがほしい。」
そうすると、ある会社から3Dデータでロボットのイメージの提案が届きます。その3Dデータを見て、自分好みに色など微調整を入れて、たとえば可愛いピンクにしようと。
イメージ決定後、メーカーにネットで注文します。

注文を受けると、3Dプリンターで試作が作られ、構成部品などが検討されます。

部品構成ができると、世界の様々な地域のサプライヤー工場の在庫や生産計画が確認され、物流ルートが計算され、どこの工場で作るかが検討されます。

生産される工場が決まったら、必要な部品が効率化されたラインを流れていきます。部品は自ら、必要な加工をラインの機械に伝えます。加工機械はその指示を受け取り、必要な加工を実施します。取り付け部材が不足してきたら、ラインの機械が追加オーダーをかけます。

そのラインの中で、色々な不具合、取り付けにくさ等の情報が、機械や流れていく部品を通じて吸い上げられ、ビックデータとして蓄積されます。蓄積されたデータを元に、さらなる効率化されたラインを目指して、分析、改善されていきます。

完成したお掃除ロボットは、注文した女性の手元に届きます。お掃除ロボットは、自分より背の高い棚の上に手が届かないと、追加の部品を自分でオーダーします。
その部品が届いたら、その部品をつけて、高い棚を掃除しはじめます。その課題を解決していく過程の情報も、ロボットメーカーに吸い上げられます。
また、女性はさらなるニーズや改善をロボットに伝え、その情報もメーカーに伝えられ、次の開発に生かされます。

こんな世界が来ることを想定し、今後のものづくりを考えていく必要があるのだなと改めて感じました。

上記、「顧客ニーズ」→「製品仕様」→「製品構成部品」→「部品情報(サプライヤー、在庫、生産能力」+「物流費」→「工程作業情報、工程能力情報・・・」→「サービス情報」
→「顧客ニーズ、クレーム情報」…こういった情報を、商品、部品、工程などを通じてやりとりする世界になるため、上記情報の整備が必須になってきます。
では、それらをどう整理し、どんなシステムで管理し、どんなツールが必要になってくるのか?それらを業界、業種、業態別に考えていく必要がある認識しました。インダストリー4.0とは、これらのスペックマネージメントの強化が必要で、それは部品表改革が肝になると感じます。

様々な道具は出てきているので、それらをどう組み合わせて提案していくのか?今後の日本の製造業を支援する企業は、頭をひねる必要があると感じています。

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