ジェイコーディ株式会社

ドイツ 市場視察レポート(フランクフルト アンビエンテ<2015年>、ミュンヘン、ベルリン市場)

1.ドイツ(特にフランクフルト、ミュンヘン、ベルリン)の文化、人、好みに関する調査
2.フランクフルとアンビエンテ 2015年 調査
3.雑貨市場調査
4.その他

・フランクフルト、ミュンヘン、ベルリンの3箇所を視察したが、3箇所ともまったく違う文化であると感じた。

・フランクフルとはイギリス的、ミュンヘンはフランス的、ベルリンは近代的なイメージがある。
ドイツは他のヨーロッパに比べて、百貨店が多く、様々な百貨店が集中的に存在する。
また、ミュンヘンで感じたことは、手作り文化。布などが多く百貨店においてあり、布を検討している人が多く見受けられた。

・フランクフルト駅では、本当にフランクフルトを食べていた。

・ドイツはウィンナーをメインディッシュとして大切そうにフォークとナイフで切って食べているのが印象的だった。ビールを飲む量も半端なかった

・物価は高い。カードもあまり使えないので、現金が比較的多く必要となる。

・日本と同じように勤勉である。新幹線の中ではビジネスマンはひっきりなしに電話で話している。ベルリンではビルは夜中まで電気がついている。ベルリンは特に、ハングリー精神を感じる。様々な歴史を乗り越え、東の西の文化が融合しているからかもしれない。

・ドイツは機能性を追及しているが、デザインはあまりよくない、と聞いていたが、そんなことは無い。デザインも良い。素敵な服やアクセサリーがたくさんあった。雑貨などは、日本のようには小さいものではなく大柄なものが多い。機能的には、日本の雑貨の方がかゆいところに手が届くものが多い。

・ドイツ人は寿司が大好き
お惣菜売り場や駅では、必ず寿司を売っていた。寿司一貫を大切そうに透明のプラスティックの入れ物にパッケージして売っていた。
ベルリンでは、フィリピン人がやっている寿司の店が繁盛していて、本当に樽で握りずしが出てきて、ドイツ人の家族が囲っていた。日本人の寿司屋は、ミュンヘンの市場の中にしか見かけなかった。

2.フランクフルと アンビエンテ 2015年 調査

・とにかく規模が半端ない。1日半とっていたが、最初から全部見るのはあきらめ、半分に絞った。東京ギフトショーの約5倍位ある感じだった。NYのギフトショーと比べても5倍位はあったと思う。もっとかもしれない。何百という展示ブースを見学しただろう。

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・雑貨類、部材類のフロアーを中心に見学した。・全世界から多くの企業が出展していた。デザイン性や質もすばらしいものばかりだった。部材類はインド、中国の企業が多かった。部材類は日本企業は出展を見つけられなかった。

・欧州の企業の展示は、個々の部材を組み合わせて、プロデュース力を生かしていた。

・日本企業の展示ブースもいくつかあった。ジェトロのジャパンブースと、中小機構のプロジェクトに参加されている企業の展示もあった。日本の商品は、「小柄」、「緻密」、「素材」を生かし、「機能性」を考えた商品作りが他国と比べて優れていると感じた。

 

・逆に、日本に持ってきたら売れるだろうという商品もいくつかあった。時計の枠やベルトを、様々なデザイン、カラフルな模様のバリエーションで揃えていて、組み合わせて使える商品が特に素敵で、自分も購入してきた。
また、アフリカの企業だが、キャンドルの外側に蝋でアートを入れる、正に手作業だが、カラーバリエーションが多く、使っている色の組み合わせも素敵だった。

3.雑貨市場調査

・フランクフルト、ミュンヘン、ベルリンと百貨店や雑貨店を多く回った。キッチン用品など、日本と同じように機能性を重視した商品が多く、必ずデザイン性も考慮されていた。

・ハンズ、ロフトほどの大きな店舗はないが、2フロワー程度の雑貨店専門の店もあった。・日本のブランドでいうと、無印は必ずあって、それ以外はあまり目立たなかった。

・アクセサリー系は、手ごろな価格のものが多くあった。価格帯で日本市場ものと比較した際、デザイン性は良い。

・今回はドイツ国内と、アンビエンテというグローバル規模の市場での視点になるが、雑貨市場として雑貨商品を開発する場合、日本の強みである、「小柄」、「緻密」、「素材」を生かし、「機能性」を考慮して、さらにアジアの競合との差別化を考えた場合、日本の商品はそろそろ全体のプロデュースを考える必要があると感じた。この企業はどんなテイスト、どんなシーンで活躍する、どんな付加価値を提供してくれそう?とぱっと見て分かるような。ブランドだと歴史が必要となり日本だと伝統工芸的になってしまうが、過去からの技術も生かしながら、近代の生活に合った、また生産性も考慮した形での商品作りと提供価値のイメージ伝達が必要と感じた。

4.その他
ドイツを周っていて一番びっくりしたことは、電車の改札が無いことだ。知らないと、キセルしてしまいそうになる。
一応1日券のようなものがあり、プラットフォームでスタンプを押して1日使えるのだが、誰もそれをチェックしない。たまに抜打ちチェックがあり罰金があるようだが、それでもたまにだろう。だから見つかったらまとめて払うくらいで普段は切符を買わない人も多いのでは?と感じた。私はさすがに買っていたが、見せる機会が無いことが非常に残念だった。

日本はSUICAやPASMOだと、また技術を駆使して改札機を作っているのに対し、まったく作らないという文化。日本ほどの改札機、切符販売機は他の国にはない。駅員も少ないと感じた。ドイツの駅は、日本では当たり前の前後の駅がどこかの記載がない。よって、どこ行きかを見るしかない。しかも一つのプラットフォームに多くの電車が混流するのでわけが分からなくなる。旅行者のことを考えた表示が少ないと感じた。

フッセンからバスを乗り継ぎノイシュヴァンシュタイン城も訪れてみた。とてもきれいだった。ここでもすごいなと感じたことは、1時間前から見学の番号を渡され、5分単位でその時間にならないと入れないという、非常に合理的なシステムであった。これはヨーロッパの他の国だとあまり見たな事が無い。それほど観光客が多いのだと思うが。。

冬のドイツは寒いぞーと何度も言われながら、しかしアンビエンテが2月で年に1度しかないので、それに合わせていった。国内はほとんど電車の旅だったが、雪景色がきれいだった。これまでは飛行機が好きだったが、今回で断然電車の旅が好きになってしまった。フランクフルト、ミュンヘン、ベルリンの他に、少し足をのばし、ケルン、フッセンも立ち寄った。計5箇間すべてICE等で移動した。

日本の新幹線の中も、ビジネスマン達がPCや資料を見ながら移動しているが、ドイツも同じ。みなずっと仕事をしている。
ヨーロッパは全般的に電話も電車の中でかけてよいようなので、なにやらずっと電話で話している。もちろんスマホも除き込んでいる。

ジェイコーディ 松本佳世

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