少量多品種&急速な個人ブランド化が進む時代のものづくり
~ブランド企画の重要性~
最近、Apple Musicを契約して、仕事の合間に聞き始めている。
これまで既に、書籍ならKindleunlimited、雑誌はDマガジン、映画・ドラマは、Hulu、Amazon prime、Netfixなど、サブスクリプションと呼ばれる、月額課金のものを利用してきた。
しかし、気に入った音楽は長く聞くものだ、という概念があり、音楽のサブスクリプションには非常に抵抗があった。
でも使ってみて、「なるほど」と分かった。
つまり、一つ一つ購入するより大量の音楽を色々聞ける点、今まで自分が聞かなかったような分野の音楽にも触れる機会がある点、何よりも、気に入った音楽も、1か月位聞きまくれば「飽きる」ということだ。音楽を制作しておられる方には大変申し訳ないのだが、次から次への新しい音楽が生まれるので、すぐ次を聞きたくなってしまうのだ。
情報においてもそうかもしれない。昔は、書籍を購入したり、図書館で調べたり、人に聞きにいったり、学校で学んだり、足を運んで情報を取りにいかなければ入手できなかったが、今は分からないこと、知りたいことは、Google先生にすぐ聞く。Youtubeですぐ見るなど、簡単に手に入れることができるようになってきた。次から次へと、新しいことに挑戦できるようになってきたのだ。
従い、パソコン、スマホ時代の子供たちは、そうでない世代よりも、様々なことを簡単に習得することができているのだ。
一方、今回のコロナ緊急事態宣言の影響もあり、自宅での自粛生活が続き、会議もTV会議を余儀なくされ、飲み会もZOOM飲み、など、直接人と会うコミュニケーションもガクンと減った。もともとSNSで仕事が回るようになっているので、違和感のない業界もあるが、人との深い付き合いの必要性が低くなってきている。
最近の調査結果で古い世代は愕然とした、最近の子供たちの「将来なりたいもの、やりたい職業」ランキングで、アメリカは医者である一方、日本はYouTuberという時代。
次から次へと、サイトも動画も、日々新しいコンテンツが作り出されている。
ものがあふれ、新しいものがどんどん作り出され、すぐ飽きる時代。人とのつながりも希薄になっていく時代。
また、新しいものを短期化でつくっていく必要がありますが、国内で作るにはほぼコストが合わなくなってきていて、つくる時間もかかる。
さらに、個人でも制作し、ネットで発信、販売ができる時代になってきましたので、商品数は増える一方。
そんな中で、今後どのようなものづくりを続けていけば良いのだろうか?
ブランド企画の重要性
新用品をスピディーに出す力も必要だが、出してもすぐ飽きられてしまう。忘れさられてしまう。
世の中やこれまでの生活を変えてしまうな製品であれば、多くの方が使い、次のイノベーションが起こるまでは、使われることだろう。
だが、そんなイノベーションも、そうちょくちょく起こせるものではない。
では、これからのものづくり、商品企画は、どのように進めていけば良いのか?
それはやはり、ブランドを作ることだと思う。
ブランドというと、ロゴ、とか、デザインとかイメージなどが重要視される。それらもとても必要だが、その前にそのブランドは「世の中のどんな課題を解決するのか?」、また、「どのような解決策を提供するのか?」をユーザーに感じとってもらい、ファンになってもらうことがこれからは重要だと思う。
モノも「所有」から「利用」へと変化している時代。モノではなく目に見えない「価値」をどう提供できるかを考えることが先だ。一つ一つの商品を作る前に、まずはどんな領域の課題を解くブランドを作るのか?を考えること。その課題がとても大きな課題であるほど、多くの方が困っている課題であるほど、そのブランドは「必要なブランド」となるだろう。
そしてその「ブランド」の価値を理解してもらえれば、そのブランドが出す商品は、どんな領域の何を解決するのか?ファンにもイメージし易く、期待されやすくなるだろう。
個別の商品企画においても、企画する上「どんな領域の何を解くのか?」という軸が立っているので、企画をしていきやすい。
まずは、ブランドの軸を立てること。そのためには、とにかく多くのブランドや商品を見ることが大切だと思う。国内外含めてだ。
3C分析が重要だ。特に競合。既にある価値を今から投資して一生懸命つくっても、意味がない。
多くのものを見て、ホワイトスペースを探し、これから作るブランドが「解くべき課題は何か」を決めることが一番大切だ。
課題を定義して、それの原因を探り、それを解決する方策を探す。それがブランド作りのベースになる。
ものが溢れ、ものにすぐ飽きる時代。個人でもモノが作れる時代。その中で、長く愛される新しいブランド、商品を作るのは、そんなに簡単なことではない。モノ作りのスピードをどうアップするか?も重要なポイントだ。
課題の解決策「ソリューション」を考えることが、ブランド価値そのものとつながる。